これを読む前からスマホは触り過ぎないようにしようと色々対策していたが、読んだらこりゃまずいとなった。最近は友人家族と遊ぶことが多く、子供がいるので色々観察している。子供は基本的に我慢ができない。小学生にでもなれば別だが幼児期の子は欲のままに動いている。それは何も問題ないことだが、その彼らにスマホを持たしたら大変だ。一度見せたら周りが止めるまでずっと見ている。本書内で研究者は、”おやつがほしいの欲求ではなく、コカインがやりたいの中毒性に近いものだ” と称している。もう一本打ってくれよ、たまらねえみたいなジャンキーと一緒だ。スマホもコカインも脳や精神状態に悪影響を及ぼす点では一緒なのだ。
スマホは適切に使用すれば様々な恩恵を受けられるし、より快適な生活をする手立てになる。我々大人はそういった観点でスマホを見定めて、距離を取ることもできるが、若い子はそうはいかないだろう。大人でもそうはいかない人も既にたくさんいるだろうし。
本書内でとりわけ印象に残っているのは、脳はスマホがやってくれることは覚えようとしないということだ。僕が子供の頃、個人で携帯を持つ人はいなかったため直接家に電話をしていた。電話帳など持って歩く人なんていないから、友達の家の電話番号を記憶していた。どこか行く時は地図見て自らルートを選び、ツーリングなどをしていた。すべて自分の脳に叩き込んでいたのだ。今はすべてスマホがやってくれる。電話番号もすぐわかるし、下調べなどせずとも目的地に辿りつけるから道を覚える必要もない。便利でいうことないじゃんとのことだけど、なんだろうか寂しいような切ないような。機械にばっか頼るこの気持ち。
今後デジタルで育った世代が中心となり、アナログとのギャップに疑問を呈する人はいなくなる。世界中と一瞬でつながることへの違和感も、何でも機械がやってくれるというやるせなさもすべて無くなるのだ。それにしてもスポーツがデジタルライフで生じるストレスを解消させたり、脳を活性化させるというのはうれしいことだ。村上春樹さんが走ることについて語っていた本でもそんなこと言っていた。やはり心拍数のBPMは上げなきゃいかん。走ろう。