2022年1月21日金曜日

Book in 2022 No.2 袋小路の男/絲山秋子

 2022.1.18  袋小路の男/絲山秋子


 この著者の作品は初めて拝読する。学生の頃から気になる男に一見振り回されているようで、自ら色々考え過ぎて振り回っているような女の話だ。恋愛ってのは本当にしゃらくさい。いちいち心を惑わしてくる。学生の時分は心の感受性が今より高くて、飛んだ妄想もあって、一喜一憂してたんだろうな。フラれて凹むなんてのは今になってはうらやましい体験でもある。一日体験でもできるならしてみたいものだ。凹むとは本気の証拠である。青春時代の本気は輝かしい。

 おそらく20歳くらいの頃は青春イコール若者と思っていたのだろうが、27歳を超えて処世術を徐々に体得しつつある時、そうではないと気づき始めた。本気になれる力があれば青春はいつでも取り戻せるのであった。本気、即青春。

どうせ死ぬんだという自暴自棄のようで、前向きな死生観も20代の時に身に付いた。どう死ぬなら死ぬまで生きよう。笑っていられるように。




2022年1月15日土曜日

2022.1.13 スマホ脳/アンデシュ・ハンセン 訳 久山葉子


これを読む前からスマホは触り過ぎないようにしようと色々対策していたが、読んだらこりゃまずいとなった。最近は友人家族と遊ぶことが多く、子供がいるので色々観察している。子供は基本的に我慢ができない。小学生にでもなれば別だが幼児期の子は欲のままに動いている。それは何も問題ないことだが、その彼らにスマホを持たしたら大変だ。一度見せたら周りが止めるまでずっと見ている。本書内で研究者は、”おやつがほしいの欲求ではなく、コカインがやりたいの中毒性に近いものだ” と称している。もう一本打ってくれよ、たまらねえみたいなジャンキーと一緒だ。スマホもコカインも脳や精神状態に悪影響を及ぼす点では一緒なのだ。

スマホは適切に使用すれば様々な恩恵を受けられるし、より快適な生活をする手立てになる。我々大人はそういった観点でスマホを見定めて、距離を取ることもできるが、若い子はそうはいかないだろう。大人でもそうはいかない人も既にたくさんいるだろうし。

本書内でとりわけ印象に残っているのは、脳はスマホがやってくれることは覚えようとしないということだ。僕が子供の頃、個人で携帯を持つ人はいなかったため直接家に電話をしていた。電話帳など持って歩く人なんていないから、友達の家の電話番号を記憶していた。どこか行く時は地図見て自らルートを選び、ツーリングなどをしていた。すべて自分の脳に叩き込んでいたのだ。今はすべてスマホがやってくれる。電話番号もすぐわかるし、下調べなどせずとも目的地に辿りつけるから道を覚える必要もない。便利でいうことないじゃんとのことだけど、なんだろうか寂しいような切ないような。機械にばっか頼るこの気持ち。

今後デジタルで育った世代が中心となり、アナログとのギャップに疑問を呈する人はいなくなる。世界中と一瞬でつながることへの違和感も、何でも機械がやってくれるというやるせなさもすべて無くなるのだ。それにしてもスポーツがデジタルライフで生じるストレスを解消させたり、脳を活性化させるというのはうれしいことだ。村上春樹さんが走ることについて語っていた本でもそんなこと言っていた。やはり心拍数のBPMは上げなきゃいかん。走ろう。



2022年1月7日金曜日

Book in 2022 No.1 カード師/中村文則 

 2022.1.6   カード師/中村文則


2022年の1冊目は尊敬する中村氏の著書。改めて思うけど一気読みしないと文脈の繋がりがどっかいっちゃう。今年は虚勢を張った結果、書かなくてはならなくなった。あまり宣言をして自分を追い込むということをしたことないけど、これはこれで面白いかもしれない。背伸びするくらいの成長を今年も実践していこうと思う。