2023年7月8日土曜日

Book in 2023 No.13 (62) 柔らかな頬/桐野夏生

 2023.7.8

 人は意もせず、心にもないことをしてしまう。謝って済ませられることならいいが、それが自分や皆の人生を崩壊させ、絶望しか残さないこともある。悔やんでも悔やみきれない瞬間や、やり場のない怒りや悲しみ、どう折り合いをつけてその後の人生を進めていくか。
 「何事も後悔なく生きていきたい」と言う人がある。綱渡りのような人生でそれを全うできるのは、あらためて奇跡に近いことだと考える。