2022.4.17
天才ギタリスト蒔野とジャーナリスト洋子のお話。艶やかな文章表現が、大人な魅力を深く描き出している。平野氏は言葉の力をものすごく信じていて、言葉との信頼関係が感じられる。言葉たちが氏に使われることで本来の力を発揮して、言葉自身が踊っているようなそんな印象を受ける。物憂げな表現さえも輝いているように感じられて、どんどん引き込まれてしまう。早く先が見たくて、ページを捲りたくて仕方がなくなった。日を跨ぐまで読み、そのまま机でうつ伏せで寝て、驚くことに夢にもこの話がでてきて、一旦ベッドに流れ込んだのも束の間、気になって朝日と共に起きて読んでしまった。こんな幸せなことあるのか。朝焼けが徐々に広がってくる頃、物語の展開はなんせもどかしかった。残りのページが少なくなるにつれて、寂しくなって来るわ、まだ2人再会してないけど大丈夫か?と心配するわでそわそわ。その後の展開は皆様のご想像にお任せという、いい頃合いで物語は幕を引いた。本は完結したけど、気持ちはまだ着地したくないと宙を舞っておる。スラムダンクの引き際よろしく、一番綺麗な姿での別れはものすごく切ないんだけど、その印象がいつまでも色褪せずにキラキラしたものとして刻まれてて、心の糧になっているような気がする。
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