A Day in my Life...
2023年7月8日土曜日
Book in 2023 No.13 (62) 柔らかな頬/桐野夏生
2023.7.8
人は意もせず、心にもないことをしてしまう。謝って済ませられることならいいが、それが自分や皆の人生を崩壊させ、絶望しか残さないこともある。悔やんでも悔やみきれない瞬間や、やり場のない怒りや悲しみ、どう折り合いをつけてその後の人生を進めていくか。
「何事も後悔なく生きていきたい」と言う人がある。綱渡りのような人生でそれを全うできるのは、あらためて奇跡に近いことだと考える。
2023年6月30日金曜日
Book in 2023 No.12 (61) チュベローズで待ってる/加藤シゲアキ
2023.6.30
NEWSのメンバー、加藤シゲアキくんの作品を初めて読んだ。縁のない世界の話だが、生々しく伝わってきて、楽しく読み進められた。驚いたことに直近に読んだ小説には、3作連続で在日のキャラクターが登場した。過去の抗争事件などのイメージから在日=暴力・貧困社会という設定が話の中に一定の刺戟と緊張を生むのだろうが、当事者はどう思うのだろうか。
2023年6月25日日曜日
Book in 2023 No.11 (60) 光の人/今井彰
2023.6.25
戦後の生活を思うと今の生活が怠惰と思えてくる。戦後から近代にかけて、まだまだ知るべき人はたくさんいる。そんなきっかけを与えていただいた。
2023年6月15日木曜日
Book in 2023 No.10 (59) 黄色い家/川上未映子
2023.6.15
(吹田市の宿にて)
文豪の文章は、多彩な比喩を用いて人の心理をこと細かく洞察する。毎節繰り広げられるその表現力に唸ってしまうのだが、それはいつしか物語としてではなく「文章芸術」として目に飛び込んでいることに気づく。一節ごとに山を登るような力を使うので、やがて全体を通しての物語の明晰さは遠のいていくような感覚になる。
一方、川上氏の文章は多彩な比喩を用いているにもかかわらず非常に明晰で、山というよりは緩やかなトレイルを越えていくような文体で終始心地がよい。
2023年3月31日金曜日
Book in 2023 No.9 (58) 文章読本/三島由紀夫
2023.3.31
小説を読む姿勢を革新させる1冊だった。発行されて60年以上の時が経ち言葉が持つ力も随分変わっただろうが、まだまだその力を信じてみたい。
2023年2月27日月曜日
Book in 2023 No.8 (57) すべて真夜中の恋人たち/川上未映子
2023.2.26
本書がアメリカの文学賞にノミネートされたとのことで読み返してみた。読んだのは数年前だから内容を覚えておらず、初めて読んだような印象であった。恋愛の話ではあるが、シンプルで派手さの無い文体が良いリズムを生み出していて、終始心地が良かった。文豪の文体は明晰さに欠けているため—というよりは理解力が無いため—読み解くのに苦労するが、この作者はサクサクと読ませる。前述した心地良さもあいまって、最後まで読みたい気持ちを持たせてくれる。良い時間だった。
2023年2月19日日曜日
Book in 2023 No.7 (56) 開高健のパリ/開高健
2023.2.19
パリ渡航の前後で、開高氏のパリに対する見解に変化があることが、本編に入る前の角田氏の解説のおかげでよくわかる。海外の情報が簡単に手に入らない時の海外に対する憧れは、現代とは比にならないだろう。そして実際に足を踏み入れた時の感動は計り知れないものなのだろう。今は知り過ぎてしまう時代だから、さまざまなことに対しての感動が減ってるかもしれない。
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