2021.12.4 輝ける闇/開高健
初めての開高健を読了。写真は北アルプス涸沢カールにてテント泊中の1枚だ。ボキャブラリーが少なく悲嘆するが、この小説はすごい。日本語に限らず一つの事象を表す言葉は数種類あると思うが、この奥ゆかしさは日本語特有なのかな。今日の一般会話では散見されない語句も、この時代を感じられて心地よい。
巻末の批評家の解説がよかったな。小説を書くことは労役だという。確かに。またこの方、三島由紀夫と対談し文学の話をした際「想像力で描いたならすごいことだが、現地を取材して描いたなら大したことでは無い」のようなことを言われたそうな。あくまでこの方の意見だが、その考えは旧世代のもので、現代文学では新しい生の在り方が求められると。やはり価値観は変わっていく。現在2020年代、この時の現代文学からすでに60年は過ぎている。今の時代が求めるものは何か、第二次
世界大戦以降、日本は戦争をしていない。でも、人々が世の中に満足して生きているかと聞かれても二つ返事ではいとは言わないんじゃないか。戦争が人生難の元凶の時代はそれさえ無くなればと思うけど、乗り越えても新たな敵が現れる。生きるという葛藤に終わりはない。
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