2022.6.25
初めて読んだ作家さん。5つの短編で構成されているが、各々共通する人物が登場する。虐待やモンスターペアレンツなど、親と子供にまつわる問題にフォーカスし、それを教師や子供からの目線で綴っている。子供の言動は親や環境からの影響が大きい。ほぼそれが占めていると言ってもいいかもしれない。親のいい部分、わるい部分、色濃く反映される。子供の頃はそんなこと気づきもしないが、親と自分を客観視できる年齢になるとわかってくる。ただ、自分の性格のある部分をこれは親からの影響だと認識し、それを変えたいと思ったとしても、相当な努力かガラッと環境を変えない限りして変えられない気がする。個人的には。
子供の頃、母方の祖父は車を運転する際、よくキレていた。交通ルールを守らない方が悪いのだが、僕は怒る人を見るのが嫌いだった。ただ、自分がいざ運転するとよく怒っている。割り込みされたり、スマホを見ていて全然進まないから青信号で行きそびれたり、ずっとノロノロ走っていたのに青信号が黄色になりかけたら途端にスピードをあげ自分だけ青信号で通過したり、思い出すだけで恨みは尽きない。祖父のように罵詈雑言を浴びせるのではなく、なるべくコミカルに声を荒げたりと努めてはいるが、難しいことである。
「憎むことでいつまでもあいつに縛られないで」
みゆきさんのある歌の一節をいつも発動させるよう、脳にリマインダーを仕掛けている。
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