2014年11月20日木曜日

余談。

 今回、普通にアメリカを横断するのではなく、カブでアメリカを横断して得たことは、本当に大きくて、一生の宝になると思います。2ヶ月前の自分と、今の自分、どこが変わったかはよくわからないです。でもわかったことは、少しづつでも進んで行けば遠い目的地も見えてくるってこと。自分を追い込んで、頼れるのは自分のみという状況になった時に、自分の中の人間力は、想像を超える大きさで自分の中に湧いて出てくること。下手に明日を予測して、起きてもないことを懸念し、気持ちを萎えさすのではなく、その日その瞬間に物事を考えて、解決していった方が効率よくことが運ぶということ。予想なんて意味なくて、いつも想像を超えることが度々起こること。上手くいくイメージ、こんな感じだろうなっていう、ふわっとしたイメージは大切だけど、結局は一瞬一瞬の積み重ねを大切にして生きていくべきということ。
 走ってる時に、色々な考えが思いついたけど結局忘れてしまいました。自分の中に根付いてくれてたらいいのですが。そして何より、自分の精神の支えになってくれた、周りの人たちの存在は本当に大きかったです。でかいトレーラーに囲まれて轢かれそうになりながら走った時。前が見えないほどの雨の中、大量のトレーラーが横を通り過ぎ煽られて転びそうになった時。マイナスの寒さで逆風に吹かれ走ってる時。パンクして時間が押し、日が沈み、行きたい道も封鎖されて行き場が無くなって、夜の高速道路を通ってトレーラーにクラクション鳴らされながら走った時、トレーラーばっかだな。。そんな時、大袈裟かもしれないけど、みんなにもう一度でいいから会いたいって気持ちで走ってました。みんな信じないかもしれないけど、けっこう必死でした。
 そんな時、もうひとつ自分を支えてくれたのが、チューニングの神様ことポップ吉村さんの存在と、戦争で亡くなった人たちの存在です。これらの存在は共通する所が多々あります。かつて吉村さんは、航空機関士として太平洋戦争に参戦しており、もともとは予科練上がりでした。飛行機乗り、すなわち戦闘機乗りというのは、並みの精神じゃやっていけなくて、飛行中の重力にも耐えなくてはいけないし、車と違い、飛行機は故障が出たら空の上ゆえ命取りになることや、防寒なんて知れてるし、何千キロと飛行する。そして敵に狙われる。本当に命を狙われる。かなりまとめて書きましたけど、これは彼の伝記に書いてあったことです。初めて本を読んだ時、衝撃を受けました。この現代で普通に暮らしてる自分には、到底想像もできない状況です。自分を彼らに重ねるのは何とも失礼な話ですが、かなり精神の支えになっていました。自分が辛いと感じる状況でも、まだまだやれるぞ、あの人たちの過酷さはこんなもんじゃないって思えました。吉村さんは昔の話を回顧しながら、最後に「果たして現代の若い連中に理解できるだろうか。理解を無理強いはしないが、ただそうした事実がかつてあり、それを身をもって体験してる人間がまだ存在することだけは知っておいてほしいと思う。」 と仰っています。そうした事実ってのは、彼が特攻隊先導の任務もしていたという事実です。もちろん完全に理解はできませんが、理解したいし、彼らの精神は自分の世代、後の世代に受け継いで行きたいと心から思います。
 とある友達と、こういった戦争の話や特攻隊の話をよくするようになりました。たいていの人は割と敬遠しているのか、理解をしようとしない話です。かつて日本のために死んでいった人はたくさんいました。吉村さんも関わってた特攻隊もその一つで、彼らがやったことはテロだとか、愛国狂信者とか、無駄死にだったとか色々言われてます。みんな考えは違いますから、そこはしょうがないです。でも実際、とある映像にて、神風特攻隊にいた方がこう仰ってました。特攻の指示が出た時、快く受け止めて死のうなんて思った人なんていなかったと。これは特攻隊を美化するのではなくて、日本という国のために、将来のため、死んでいった人達が実際に存在していたという事実で、とても切なく、再発してはいけない事実だと思います。みんな今の自分と同じくらいの歳か、それより下の子ばかりです。だから、彼らが命を捨ててまで守り、残してくれた日本を誇りに思うし、彼らの分も人生を楽しみ、全うしたいと思います。
 今アメリカにいて、アメリカ人の暮らしを見ていると、愛国心をすごく感じます。何かの記念日とか関係なく、国旗を車やバイクにつけていたり、家に掲揚してたり。アメリカに対するわだかまりはまた別の機会に話すとして、そうやって素直に愛国心を表現できるのは、なんともいいことだと思います。日本で国旗つけてたら、どういった見方をされるのでしょうか。サッカー日本代表ユニフォームなどには堂々と掲げられてますが、普段着などに用いられるとなると、なんともいえない。もちろん、国旗を掲げることだけが自国を愛するという表現になるわけではなく、心の中に抱いている人はたくさんいると思いますが。いつもアメリカに来る度に、アメリカがさらに好きになり、日本もさらに好きになります。日本に帰ったら、少しづつでもいいので、日本が大好きだって素直に表せて、それが当たり前になるような環境に変えて行きたいと思います。

3 件のコメント:

  1. なかなかうまく表現できないが自分の人生を一生懸命に生きていくことの大切さと一人では生きていけないことが改めて自分も感じています。
    軽トラに張ってあるポップ吉村のシールは知っていましたが内容を初めて知りました。軽トラも元気です。そろそろオイル交換時期かも。tomi

    返信削除
  2. ツーリングのお誘いしても返事が無い訳ですね( ̄(工) ̄)。新実君から旅をしてると聞かされブログを拝見してまししたがバイく増やし過ぎて修理に明け暮れコメントできませんでした。貴重な体験ができ羨ましい限りです。帰国したら色々話し聞かせてくださいね。

    返信削除
  3. tomi さん 支え合いですね。帰ってからが勝負です。

    ななろーさん 携帯は繋がってますよー! なんででしょう??
    台数増やしすぎ注意ですね!!

    返信削除