2020年2月14日金曜日

Novel in 2020 No.3 ボトルネック/米澤穂信

2020.2.14

ボトルネック/米澤穂信














 
 自分で文章を書くなら、どのように物語を展開させていくかということを意識して読み進めてみると、作家の想像力・妄想力というものは凄まじいものがあると改めてわかる。日常で見られる人間の行動、心情、表情の移ろい方とか、そういった細かな部分の描写をその通りに細かく文字に起こしていくこと。読み手に臨場感を与えるような描写の仕方っていうのは、やっぱり経験と実際に描いてみて得られていくんだろう。頭で練りに練って、こういう風にやろうと計画しても、いざやってみると想定外な方向へ進むことってよくある。ほとんどそうかもしれない。やってみてから考える方がいいんだろうな。やってから考えるって無計画に見えるけど、物事の進め方としては割と理にはかなってるんだろう。
 ボトルネックって聞いて、山登りの話と思ってこの本を手にとったけど違った。物語の中心人物のリョウは自分をこの世のボトルネックだと思うんだけど、若い時に思いがちな自己陶酔に近い甘えんぼちゃんだ。(自分もそうだった)自分がこの世で一番とまではいかないけど、俺は世間の奴らより辛い思いをしてるなんて思っちゃってる。今思えば勝手にウジウジしとけって感じだけど、当人からしたらそんなことわからないわけで。そこから何とか気を立たせて、小さなトライエラーを繰り返し、段々と人生を掴んでくる感覚があったのは二十代後半だったと思う。でも今は今で人生って何だろうって考える。自分も変わるけど、環境も変わるから常に答えがわからない。ただ、この答えなんてわからないってことがわかったことは、昔よりは人生の処世術を体得してると言えるかもしれない。諦めることも肝心だ。

2020年2月9日日曜日

Novel in 2020 No.2 ウニヒピリのおしゃべり/吉本ばなな・平良アイリーン

2020.2.9

ウニヒピリのおしゃべり/吉本ばなな・平良アイリーン


 











 
 心地よく生きていくために、まずは己を知るというのは大切なことだと改めて思った。自分が何をこの人生に求めているのか、何を目的に生きようとするのか。世間体や周りの雰囲気に流されて、己の意思に沿わない事ばかりを求めていると、少しずつ人生のリズムが狂ってしまう。
  ”今を生きる”、これって結構よく耳にする言葉だけど、何か今イチ腑に落ちないところがいつもあった。そんなモヤモヤを解消したばななさんの言葉がある。「いつのまにかたどりついたところが自分の行くところ」という一節である。結局、日々の過ごし方の結果がその将来なわけで。
 手応えのない日々って心が折れてしまいがちだけど、今を生きる定義が自分の中でできていて、日々本当の自分に向き合っていられるなら、色々な壁も、こんなもんだなってスーッとかわして過ごして行けるのだろう。

2020年1月16日木曜日

Novel in 2020 No.1 バーボン・ストリート・ブルース/高田渡

2020.1.16

バーボン・ストリート・ブルース/高田渡
















 2020年は強烈な本からスタートした。反逆のカリスマ、高田渡さん。逆らうというよりかは、何よりも自分を貫き通すお方である。社会に揉まれると、世間体だのなんだので、中々自分の意思を通せなくなる場面に多々ぶつかる。実際には通すことは可能なのだが、他に合わせてしまったり、諦めてしまったりしてしまうのである。
 文中で彼は多くの人を称賛しており、多くの人から影響を受けたと綴っていた。影響を受けるということは、当たり前だが人に会わなくてはいけない。今年は例年以上に外と関わりを持てるような毎日にして行こうと思う。旅と読書と酒かしら。

2020年1月4日土曜日

  この場所いつか行きたい、これいつかほしい、あれ今度見たいと思ってるなどなど。こういうこと言いいながら行動してないってのは、そんなに気持ちが強くないんだろう。本当に思ってるならこんなこと言う前にするだろうし。ボヤいてる暇があればやれよと自分に言いたいところ。
奥多摩湖岸沿い のんきやさんの手打ラーメン


2019年12月22日日曜日

Novel in 2019 No.24 もし高校野球の女子マネージャーがドラッカーの「マネジメント」を読んだら/岩崎夏海

2019. 12. 22

もし高校野球の女子マネージャーがドラッカーの「マネジメント」を読んだら/岩崎夏海

 組織運営にとって、いかに戦略が大事かがわかる小説であった。一見難しそうな経営学も、身近な高校野球に乗せて説明してもらうと、非常にわかりやすいものだ。やっぱり人のケツを蹴るのは責任感だなと実感する。それも自分だけが背負う責任ではなく、第三者を巻き込んでしまう責任だ。僕の場合、責任というか、やらねばという気になるのはお金を払った時にもよく生じる。やらないと金の無駄になるから、というケチな理由ではあるが、すぐサボる自分にとっては良い動機である。ドラッカーが書いたマネジメントを読みたくなる。

2019年12月7日土曜日

Novel in 2019 No.23 エロス/広瀬正

2019.12.7

エロス/広瀬正
現代と過去を行き来する話。本当の話と、仮の世界が同時に進んでいく。様々な要素が同時に進んでいくが、最後は同じ終着点にたどり着く。当時の言葉ってのはものすごく哀愁が漂っている。特に印象的だったのはウマタケーキである。駄菓子の駄をカタカナで読むとウマタ。菓子を英語で表すとケーキ。それでウマタケーキ。なんて粋なんだ。流行っていたのは1930年代、昭和一桁代である。当時も今も一緒で、新しいものは年寄りから煙たがられていたのだろう。団塊世代が最近の若者は、、と嘆くのを良く聞くが、彼らは戦前生まれの人に、最近の若者は、、と言われてるシーンを映画で見たことがある。いつでも新しいものを生み出すのは若者でなくてはいけない。若者は偉い。

2019年11月7日木曜日

Novel in 2019 No.22 そして、バトンは渡された/瀬尾まいこ

2019.11.7

そして、バトンは渡された/瀬尾まいこ
 














 複数の親を持つ子供の話。みんなと同じ環境で育てばみんなと同じようになるし、みんなと異なる環境で育てば異なる。人と違うって疎外感を持つこともあるけど、自分にしかできないことがあるって思えたら、あの頃の自分に感謝したくなるんだろう。    
  ランニングに没頭してたから、小説を読んだのは4ヶ月ぶりだった。本って良い。やっぱりいい。世界はまだまだ広がっていく。