人が人を殺す理由は様々だ。加害者側が悪いのか、それとも被害者側に殺されても仕方がない理由があるのか、一見してわからないこともある。三つ子の魂百までと言われるほど、幼少期の親のあり方、子供への立ち振る舞い、教育環境などは子へ影響する。親からは当たり前と言われたことが、世間で否定される。その時、子はどうすればいい。自分を否定し始める。周りには親しかいない。頼ると怒られる。子は演技をする。辛い演技を。私は何も気にしてないよ、と。限界が出てくる。できない自分に苛立ち、そして自分を傷つける。助けのないままそれは習慣化され、やがて子は、、
真壁由紀も負を抱えていた。だが、夫の我聞やクリニックの院長に出会い、人生の航路が変わった。10代の1人旅を、自分探しと茶化すことがある。自分探しというのは、自分は本当は何が好きなのかを探すという意味もあれば、自分自身を認めることでもある。自分とは何か。それがわかって初めて進むべき道が開く。こう書いてるものの、道に迷ってばかりなので、自分は口ばっかりだなと、自分を認めてみる。
決して幸せな物語ではなかったが、著者の強い思いが感じられる、学ぶべき点が多い小説だった。
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