2020年12月30日水曜日

Novel in 2020 No.19 明け方の若者たち/カツセマサヒコ

 2020.12.30  明け方の若者たち/カツセマサヒコ

 シンプルな装丁が目を引き、手に取ってみると知らない作者の名前が。裏表紙を捲ると
デビュー作とのことで気になり読んでみた。
 単純な恋愛物語とは言い切れない、社会との葛藤も交えた物語である。著者の年齢が近く、境遇も似たところがあって、共感する点が多々あった。自分が本当は何がしたいかわからなかったり曖昧な人は、社会人1年目の時この仕事は自分に適しているのだろうか、と葛藤するだろう。俺はこの仕事に骨をうずめる覚悟ありと言える人は、とても眩しく感じてしまう。本作では、小さい頃の夢を実現させる人の例でイチローさんがよく登場するが、彼の実例は特別なことだ。小学校の時、やりたい仕事なんて何もなかった。ただ、車が好きだったので、将来の夢はTOYOTAと言っていたことは覚えている。
 これからの人生を身一つで生きていくため、自分にできることをし続けよう。

 


2020年12月27日日曜日

Novel in 2020 No.18  舞台/西加奈子

 2020.12.27  舞台/西加奈子

 ニューヨークが舞台のこの小説。舞台とはこの人生のことで、葉太は何もかも演じて生きている自分に疲弊し狂乱していく。この気持ちは何となくわかる。自分は周りの目をかなり気にして生きていて、人前ではこうでなくちゃいけないと格好つけている。昼の吉野家でスマホを弄りながらダラダラ食べる奴を嫌いながら、自分は家でそのように食べていたりする。周りに人がいないとやってしまう。本質は一緒なのかもしれない。でも時より彼らが羨ましい。席が空くのを待っている人がいるのに、スマホを弄ってゆったり食を楽しみ、周りの目を気にせず生きられるその図太さを。海外に行って、本能の赴くままにほとんど理性を持たず生きている人を散々見て感銘を受けたのに、一向にそんな生き方はできやしない。東南アジア行きたいわ。
 


2020年12月19日土曜日

Novel in 2020 No.17 四畳半タイムマシンブルース/森見登美彦

 2020.12.19  四畳半タイムマシンブルース/森見登美彦

 森見節を十分に感じられる1冊だった。タイムマシンものの魅力には、広瀬正さんの作品を読んで以来ハマっている。過去と未来の行来だったり、過去にタイムスリップしてそこで何かやらかすと、未来の自分に影響するから帳尻合わせをしないといけないとか、時より頭が混乱してくる。図示しながら筆を進めないと矛盾だらけになってしまいそう。あー京都での学生生活ってホントに粋だ。


2020年12月14日月曜日

Novel in 2020 No.16  ザリガニの鳴くところ/ディーリア・オーエンズ

 2020.12.14  ザリガニの鳴くところ/ディーリア・オーエンズ

 アメリカでかなり売れているとのことで興味が湧き読んでみた。沼に独りきりで住む少女を描いており、いまだに絶えない人種差別が今以上に過激だった1950〜60年代の話だ。少女は人々の嫌がらせを受けながらも懸命に生きていく。少ないながらも彼女を陰で支える人がいて、そこにわずかな光を見出し、彼女にしかできないことをやり遂げる。著者が生物学者ということで、自然界に生きる動植物、生態系などの描写が緻密でリアリティがある。
 ところで人種差別はどの国でもあるが、とりわけアメリカで起きるその類の事件はやたらと世界の注目を浴びている。アメリカ中東部に行った時、人生で初めて差別的なことは体験したことがある。他人事でしかなかった人種差別問題は、実体験することで少しは身近に感じるようになった。ただ、その時もどこか他人事のような感じがして、これが人種差別かと客観的に捉えていた。今思えば、旅の途中だったこともあり見た目がかなりくたびれていたから、それが原因とも考えられる。引かれることは日本でもよくあることだ。
 話が逸れたが、他に出会った99%の人はみな往々に気さくだし優しかった。白人だろうが黒人だろうがいい人ばかりだ。本当にこの人たちがそんなことするのかなとか思ってしまうが、世界を悪い方向に導くのはほんの一握りの人なんだろうなと思う。一部の人よ、無意味な争いごとは辞めよう。
 


2020年12月11日金曜日

カブ Only

 










いい経験でした!

たじー、エリームさんありがとう。

アメリカ横断ブログ 

http://motor-head57.blogspot.com/2014/09/


2020年11月8日日曜日

Novel in 2020 No.15  少年と犬/馳星周

 2020.11.8  少年と犬/馳星周











2020年直木賞受賞作で義父から拝借したこちら。昔、じいちゃん家で飼っていた犬を思いだした。遊び切って帰宅した朝に犬小屋を訪ねると、眠そうな顔をしながら出てきて、尾っぽを軽く振りながらしゃがむ僕の横にちょこんと座ってくれていた。犬は何も言わないし、慰めてくれることもないけど、労いの表情をしていた。というより、そう思い込むことで犬はいつも味方だと思っていた。身近にずっと犬がいたことが、今の自分にどんな影響を与えているかを考え更けてみた。

 

2020年10月25日日曜日

Alpine whites












上高地へお出かけ。あゝ気持ち良い。気持ち良すぎる。日帰りだったので徳沢園までしか行けなかったけど、来年は槍まで行こう。


 

2020年9月20日日曜日

youth












久しぶりの愛知72ライダース活動。今年はツーリング全て中止になってしまったのだが、すでに飛行機チケットを取ってしまっていたK澤さんをお出迎えしに。石垣島からご苦労様です。

到着前にトラブルに見舞われたK澤氏。火が弱く、あーだこーだ色々やってコンデンサーが原因だった。たまたま近くに持っている人がいたから何とかクリア。ご苦労様です。




その後K澤氏とは別れ、L君念願のスケートボードを買いに。
72にデッキ積むのも粋なものだ。

2020年9月19日土曜日

Novel in 2020 No.14 ぼくはイエローでホワイトで、ちょっとブルー/ブレイディみかこ

 2020.9.19

ぼくはイエローでホワイトで、ちょっとブルー/ブレイディみかこ











 前作に続きブレイディさんの作品を読んでみた。やっぱ先日読んだ作品に続きブリティッシュユーモアに感嘆。色々なカルチャーに触れたり、出かけてみたり、変なことしてみたり、自分の物差しをもっと大きくすれば、もっと世の中面白くなるだろう。

2020年8月29日土曜日

future kool rider

姪っ子を教育する。セローがお気に入りのご様子。
















16歳になったらカブを買ってあげたい。

2020年8月27日木曜日

Novel in 2020 No.13 ワイルドサイドをほっつき歩け/ブレイディみかこ

 2020.8.27

ワイルドサイドをほっつき歩け/ブレイディみかこ

 面白い。これぞユーモアって感じ。ブリティッシュカルチャーには昔からかなり影響されてるはずなのに、その地へ行ってみたいと思うことはあまりなかった。でも、初めて行きたくなった。ローカルなおじさんたちの話にとても親近感が沸いたからだと思う。アメリカは緩いが、ヨーロッパはどうしても高貴なイメージがあったけど、彼女のユニークな話がそんな思い込みを覆してくれた。最近、動物占いとやらをしてもらい、束縛を嫌う黒ひょうだった。この動物の主な行動として歳上の人とつるむことを好むらしい。実に当たっている。この本はそんな自分の行動学にドンピシャだった。ブレイディさんの次の本も楽しみ。



2020年8月16日日曜日

Novel in 2020 No.12 Lily/石田ゆり子

2020.8.15

Lily/石田ゆり子

  とても自然体な彼女に惹かれてしまう。笑いながら寝る、ピンク色の空気を吸ってるイメージ、イメージしてることが現実になる、ある程度のことは受け入れるなど、彼女が日々実践していることにはユーモアが溢れている。生きていく上で最も大事なことはという問いに対して、ユーモアとも答えている。彼女は本の中で、他人との勝ち負けに全く興味がないと語っていた。他者との勝負は面白いし、勝つことは楽しいことかもしれないけど、気持ち的に満足する点で言えば、自分がいかに納得しているかが重要かもしれない。勝負では負けても、自分の中で全力を出し切れたならそれでいいんだと。自分には負けないことが、ずっと楽しく生き生きと暮らしていく秘訣かもしれない。

2020年7月23日木曜日

Novel in 2020 No.11 流浪の月/凪良ゆう

2020.7.23

流浪の月/凪良ゆう
 木下さんから借りた、2019年の本屋大賞を獲った1冊。8才の女の子は誘拐されたが、家庭環境に問題があったから誘拐されたことに感謝し、誘拐された家に居心地の良さを感じていた。ただ、誘拐と言っても、出て行きたいならいつでも行っていいよと言われていた。それでも戻りたくはなかった。今の時代に沿ったストーリー展開で、誘拐した者も、された者もネット上でターゲットととなる。ネットの声は非情だ。何でもかんでもすぐ規制する日本政府はあまり好きではないが、ネット上の誹謗中傷は今すぐ規制すべきだ。言論は自由だということはわかる。でも自分の名前を出し、責任を負うことが大事だ。自分の身を曝け出すことが前提では発言できないというのなら、人に意見する資格はない。何でも頭ごなしに否定する人は、何か心につっかえているのだろう。

2020年7月11日土曜日

HONDA music










ホンダS600名古屋港金城埠頭にて。

この時期の夜風は最高だ。


 


















こちらは三菱重工大江製作所前

2020年7月6日月曜日

Novel in 2020 No.10 今さら翼といわれても/米澤穂信

2020.7.6

今さら翼といわれても/米澤穂信


 伏線の張り方が巧みで心地よい。学生4人を中心とした物語だ。学生っていいなって思う。二度と戻ることはないのだが、戻ったら色々やりたいことはある。スラムダンクで桜木が晴子さんと登下校できたらなあ、とよくぼやいていたのを思い出す。でも青春という時間は今からでも取り戻すことはできる。いつでも何かに夢中でいたいと思う。

2020年6月13日土曜日

Novel in 2020 No.9 ガソリン生活/伊坂幸太郎

2020.6.4

ガソリン生活/伊坂幸太郎
















 車が語り手というユニークなお話。車が人間の会話の合いの手を入れたり(人間に車の合いの手は聞こえてないのだが)、副音声のように2つの目線から物語を楽しめる。
 何かをする時、しっかり設計図を描き、最終形態を想定して段取りする人と、ゴールだけはモヤっと決めて、後はなるようになるとその場で考えながら進めていく人がいる。伊坂さんは前者と思う。氏の後半のどんでん返しは、読者をいい意味で欺いてくれてとても痛快だ。カーズが見たくなってくる。








2020年5月17日日曜日

Kabuto Beer factory



半田にあるカブトビール工場へ。
かつては中島飛行機の工廠として使用されており、北面にムスタングの弾痕が残っている。
アメリカ軍はよく調べとるわ。

それにしてもレンガの背景は映える。詳しいことはよくわからないが、時代背景からして安城市の岡田煉瓦製かもしれない。
 


Novel in 2020 No.8 ダメ人間/鈴井貴之

2020.5.16

ダメ人間/鈴井貴之












 

 

 藤村さんのエッセイを読み、ミスターもあるかなと思い古本屋へ行ったらあった。ただ、エッセイというよりは自伝のようなもので、しかも思っていたミスターの姿とはかなり違っていた。
 本誌では鈴井さんが高校生だった頃から今に至るまでの経歴を辿り、その時々に起きた出来事が述べられている。鈴井さんは自己嫌悪に陥りやすく、とにかくため息を吐くとのことだ。ミスターは根拠のない自信を持ち、なんとかなるだろうと思って生きてきたが、全く思い通りにならない人生を歩んできたとのことだ。この生き方はなんとなくわかる。自分にも少し共通しているところがある。
 僕は20代までこのように生きていきたいっていうことをあまり描いたことがなかった。バイクに乗って楽しんで、目の前にあることだけをこなしていた。でも何か府に落ちない。いつもモヤモヤが取り巻いている。今まで得たものを生かし、少しずつ取り組もう。




2020年5月6日水曜日

Novel in 2020 No.7 笑ってる場合かヒゲ 水曜どうでしょう的思考/藤村忠寿

2020.5.3

笑ってる場合かヒゲ 水曜どうでしょう的思考/藤村忠寿

















 優しい。実に優しい。水曜どうでしょうをよく見る人からしたら、想像できない文集だ。普段は適当に見える発言や行動の裏には、こんな様々な思いが隠れていたなんて。この人は本当に面白い人だと率直に思う。
 最近、0からの創造ということを考える。藤村さんのような演出家が作る番組であったり、アーティストが作る楽曲も然り。何が彼らの創作意欲を引き出すのだろうか。自分の番組で世間をあっと言わせたい、社会に対して伝えたいメッセージががある、好きなことをして飯を食っていきたい、色々あると思う。理由は色々あるだろうが、いずれにしても彼らのその仕事は僕らを笑わせ、考えさせ、泣かせてもくれる。すなわち心を豊かにしてくれる。本の中にも度々見られるけど、なぜそのように僕らの感情が動かされるかといったら、彼らはいつも本気だからなんだと思う。彼らでいう本気は全て真剣にというよりは、本気で遊んでふざけることだけど、そんなユルさもまたいい。
 仕事の先にはいつもお客さんがいて、僕らはそのお客さんの心を動かしお金を得ないといけない。生きるために絶対必要なことならまだしも、エンターテイメントにお金を出させることは本当に魅力が無いと難しいんだろうな。藤村さんへの見方は、元々面白い人だと思ってたけど、少し尊敬に変わった本だった。
 
 

2020年4月27日月曜日

Novel in 2020 No.6 二つの祖国/山崎豊子

2020.4.27

二つの祖国/山崎豊子











 
 

 
 読み終えるの1ヶ月半も費やした。長い間ゆっくり読み進めてたからか、登場人物へ抱く親しみがいつもの小説とは異なってる。ただその親しみの意味は、悲しみの感情移入でしかない。
 今まで太平洋戦争について勉強してきて、様々な悲しい側面があることを知った。本小説はアメリカ国籍を持つ日系2世たちが被った、逃れることのできなかった悲劇な物語であり、新たに知るこの戦争の一面だった。戦争は同じ人間が敵と味方に別れて闘い、敵と味方の区別は国籍に、すなわち人種に寄って分けられるものだが、本小説では、そのどちらの国籍にも属し、またはどちらとも選び難い現実に直面した、そんな人間たちにフォーカスしている。
 しばしば太平洋戦争の始まりは真珠湾攻撃と言われる。アメリカ人たちは ”Remember Pearl Harbor"と声を揃え、日本の奇襲攻撃だと厭み嫌う。表面的な事実だけを見ると日本が悪のように思えるが、これがアメリカが戦争を起こす大義名分のためにアメリカから仕向けられたことだとしたら、被害の少ないハワイ島という本島から離れた場所で、攻撃を受けたとしても最小限の被害で済む場所へ誘導されてたとしたら、開戦責任は全て日本にあるという事実は素直に受け取れなくなる。とても戦勝国のアメリカが使う正義という言葉は素直に受け取ることができない。自分たちの行為は全て棚に上げているのだから。確かに当時の日本の軍国主義は異常で、開戦前から終戦までを指揮した軍部及び内閣は国民に対して負う責任は計り知れない。ただ、戦争の責任はほとんど日本が負うべきだとする極東裁判は納得できないところだ。そんなことは僕がいうまでもなく、当時の見識者がすでに唱えている通りで、この裁判は復讐のショーでしかなかったのだろう。
 この本を紹介してくれた親友とも論議をした。日本がもし戦争に勝っていたらそれも不安な未来しか見えず、当時の体制はいずれ打ち砕かれるべきだったと彼女は話す。現在アメリカはニューヨークで暮らす彼女は、日本とアメリカの間に起きてきた幾多の問題について、実体験を持って幅広く俯瞰した意見をぶつけてくれるから頼もしい。
 終戦時に産まれた子さえすでに75歳、実体験した人ももう一握りしかいない。自分の祖父から聞いた言葉も含め、戦争が教えてくれた大切な教訓を次世代に伝えていかないといけない。

2020年3月1日日曜日

Novel in 2020 No.5 人間/又吉直樹

2020.3.1

人間/又吉直樹

















  俳優の高倉健さんが以前テレビでこんなようなことを言っていた。「俳優は普段の生活を世間に見せてはいけない。役のキャラクターに影響するから」と。ただ、他人にも強制するような言い方ではなく、あくまで自分の中の規律として、そのように生活を営んでいるとのことだった。かっこいい真面目さだ。
 話は変わり、ピースの又吉さんとして、僕は又吉さんが好きだ。キャラもいいし、好きな音楽なども自分の趣味に共通してるところがあるので、ずっと注目してる。それは文芸書に火花を上梓する以前のことからだった。本作「人間」の物語後半を担う、両親が沖縄・奄美地方出身というのも読む前から知っていた。つまり著者のことをいちファンに過ぎないが、ちょっとは知っているのである。そのバックグラウンドがある状態で本作を読むと、贔屓目もあるのかもしれないが、色々楽しい。だが時に文面の裏を読もうともしてしまう。永山の声を借りて、世間に対しての皮肉などが語られるところなどは、又吉さんも普段そう思ってるんだろうな、って思ったり。
 世の中には、何もかも考え過ぎる人と、あまり難しく捉えず簡単に進む人がいる。小説に出てくる人って大抵前者だ。まあ後者だと物語として深みゼロなのかもしれないが、それも面白いかも。一人称ではどうしても心の動向を逐一表現する必要があるから、三人称に表現した薄い物語を見てみたくなった。それにしてもよく物語には、小さい頃こんなことを思っていたなんて、起こる出来事に対していちいち考察を重ねた描写があるが、自分は小学生の時の心の動きを何も思い出せない。幸せだったのか、ただ忘れてしまったのかわからないが。
 令和になり、もうすぐ一年となるが、いまだに昭和に拘る自分は如何なるものか。又吉さんといつか飲んでみたいと思う。

2020年2月16日日曜日

Novel in 2020 No.4 ひな菊の人生/吉本ばなな

2020.2.16

ひな菊の人生/吉本ばなな
















 ばななさんの文体は、一見ニュートラルな感じがするけど、人物の細かな心理描写になるといきなりばなな感が出る。でも押しつけがましく無いから、さらっと読み進められる。ばななさんのエッセイを読んでると、世の中を達観しているような、でも偉そうな感じは全くなく、人生上起こりうるあらゆる事象を細かく捉えて、自分に落とし込んでるような印象を受ける。抜かりがないというか、この人がいうことなら信頼できるというな安心感を与えてくれる。友人の中にも少なからずそういう人はいて、そんな彼らは何を聞いても的確に答えてくれる。おそらく何か新しい事柄に直面するとき、都度そのことを深く考え、掘り下げ、疑問を徹底的に解決してるのではないだろうか。僕はわからないことはまあいいやと中途半端に放り投げちゃうもんだから、いつも会話は宙ぶらりん。興味の無いことあること、まあいいやと投げて次へ行ってしまう。
 今の自分の中で自信を持てることは何かと行ったら、バイクであちこち旅してることぐらいだ。何事にも自信があまり無い自分がこのことに関して自信がある理由は、やっぱりそれにかけてる時間が長いからだし、それだけ経験してると自負しているからだろう。本気で旅してきたことは、今の自分の糧になっていることは間違いのないことだとも言える。ただ、上には上がいることはわかってるのでまだまだ勝負は続いている。誰と競っているのかはわからないけど、奢ってはいけない。長旅で学んだ、勝って兜の緒を締めよという言葉をいつも思い出す。
 そして次のステップが本に関してとなると、まだまだ経験が乏しい。読みたい本はたくさんある。ただ人生は短い。30代となり、年々それを実感している。システマチックなことまではしたくないけど、無益で無駄な時間は過ごすのは良くない。尊い時間を大切に。

2020年2月14日金曜日

Novel in 2020 No.3 ボトルネック/米澤穂信

2020.2.14

ボトルネック/米澤穂信














 
 自分で文章を書くなら、どのように物語を展開させていくかということを意識して読み進めてみると、作家の想像力・妄想力というものは凄まじいものがあると改めてわかる。日常で見られる人間の行動、心情、表情の移ろい方とか、そういった細かな部分の描写をその通りに細かく文字に起こしていくこと。読み手に臨場感を与えるような描写の仕方っていうのは、やっぱり経験と実際に描いてみて得られていくんだろう。頭で練りに練って、こういう風にやろうと計画しても、いざやってみると想定外な方向へ進むことってよくある。ほとんどそうかもしれない。やってみてから考える方がいいんだろうな。やってから考えるって無計画に見えるけど、物事の進め方としては割と理にはかなってるんだろう。
 ボトルネックって聞いて、山登りの話と思ってこの本を手にとったけど違った。物語の中心人物のリョウは自分をこの世のボトルネックだと思うんだけど、若い時に思いがちな自己陶酔に近い甘えんぼちゃんだ。(自分もそうだった)自分がこの世で一番とまではいかないけど、俺は世間の奴らより辛い思いをしてるなんて思っちゃってる。今思えば勝手にウジウジしとけって感じだけど、当人からしたらそんなことわからないわけで。そこから何とか気を立たせて、小さなトライエラーを繰り返し、段々と人生を掴んでくる感覚があったのは二十代後半だったと思う。でも今は今で人生って何だろうって考える。自分も変わるけど、環境も変わるから常に答えがわからない。ただ、この答えなんてわからないってことがわかったことは、昔よりは人生の処世術を体得してると言えるかもしれない。諦めることも肝心だ。

2020年2月9日日曜日

Novel in 2020 No.2 ウニヒピリのおしゃべり/吉本ばなな・平良アイリーン

2020.2.9

ウニヒピリのおしゃべり/吉本ばなな・平良アイリーン


 











 
 心地よく生きていくために、まずは己を知るというのは大切なことだと改めて思った。自分が何をこの人生に求めているのか、何を目的に生きようとするのか。世間体や周りの雰囲気に流されて、己の意思に沿わない事ばかりを求めていると、少しずつ人生のリズムが狂ってしまう。
  ”今を生きる”、これって結構よく耳にする言葉だけど、何か今イチ腑に落ちないところがいつもあった。そんなモヤモヤを解消したばななさんの言葉がある。「いつのまにかたどりついたところが自分の行くところ」という一節である。結局、日々の過ごし方の結果がその将来なわけで。
 手応えのない日々って心が折れてしまいがちだけど、今を生きる定義が自分の中でできていて、日々本当の自分に向き合っていられるなら、色々な壁も、こんなもんだなってスーッとかわして過ごして行けるのだろう。

2020年1月16日木曜日

Novel in 2020 No.1 バーボン・ストリート・ブルース/高田渡

2020.1.16

バーボン・ストリート・ブルース/高田渡
















 2020年は強烈な本からスタートした。反逆のカリスマ、高田渡さん。逆らうというよりかは、何よりも自分を貫き通すお方である。社会に揉まれると、世間体だのなんだので、中々自分の意思を通せなくなる場面に多々ぶつかる。実際には通すことは可能なのだが、他に合わせてしまったり、諦めてしまったりしてしまうのである。
 文中で彼は多くの人を称賛しており、多くの人から影響を受けたと綴っていた。影響を受けるということは、当たり前だが人に会わなくてはいけない。今年は例年以上に外と関わりを持てるような毎日にして行こうと思う。旅と読書と酒かしら。

2020年1月4日土曜日

  この場所いつか行きたい、これいつかほしい、あれ今度見たいと思ってるなどなど。こういうこと言いいながら行動してないってのは、そんなに気持ちが強くないんだろう。本当に思ってるならこんなこと言う前にするだろうし。ボヤいてる暇があればやれよと自分に言いたいところ。
奥多摩湖岸沿い のんきやさんの手打ラーメン