携帯電話は無ければ無いでいい。誰もが所有していない時代に生まれたかった。1度手にしたから生まれる感情なのだろう、携帯電話が無かった時代の人は、誰かとどこでも連絡が取れることを望んでいたのかもしれない。携帯電話が生まれたことで、人はどこでも捕まる。緊急の連絡が取れる反面、いらない連絡も取れる。広いはずの世界が狭まり、海に行こうが、山に行こうが、自然と一体になってても携帯の呼び鈴ひとつで、自然との関係は瞬時に破滅する。携帯電話を持つことで人間は、社会という主にリードで結ばれた生き物になってしまう。メリハリのメリばかりが自分を取り囲む。とある作家が言っていた、この現代で唯一の神に抵抗する方法は携帯を持たないことだと。自分だけが持っていないのはそれはそれで嫌だから、たまにはハリを持たせるため電源を落として反抗してみようと思う。