2022年12月28日水曜日

Book in 2022 No.19 抱く女/桐野夏生

 2022.12.27

 いつの時代にも「俺はこんな時代に生まれたばっかりに、、」「私たちは不幸な時代に生まれた、、」と嘆いている人はいるのだろう。2022年現在、我々は原因不明の病原体に脅かされ、戦争により刻々と命が失われるのをリアルタイムに知り、燃料や原材料の高騰の煽りを受け、日々の暮らしにあまり光を見出せないでいる、ように思える。今の時代は不幸なのだろうか。状況や人により答えは異なるだろうが、相対的に見れば僕は少なくとも幸せだと思えている。学生同士が互いの主張の違いから、殺し合いに発展する時代と比べたら尚更だ。
 人生は基本的には闇と思うべきだ。これはネガティブ思考ではなく、それを基準にすることで日々の小さな光を見つけられるようにするポジティブ思考に他ならない。明日の天気は晴れのようだ。