カゲロボ/木皿泉
平穏な日常のリズムがふと崩れる。人生は思ったように進まないなんて誰でもわかっていながらも、いざその状況になればみなが戸惑い、落胆する。じゃあそんなリズムをまた平常に戻すための起爆剤のようなものは何かといわれたら、小説や音楽のようなエンターテイメントなものかもしれない。それ自体が僕らのそれを変えるのではなく、それを読み、聞いてケツを蹴ってもらい僕らが自ら変えていく。改めて感じることだが、日々の仕事はすべて誰かのためになっている。野菜を育てる農家、野菜を買取り店に並べる小売業、新鮮な野菜を調理し空腹を満たす料理人、空腹が満たされたトラック運転手が運ぶ荷物、その荷物を受け取った青年。その荷物の中身は、、。人はみな繋がる。すべてが無駄ではないと思いたい。