2020年5月6日水曜日

Novel in 2020 No.7 笑ってる場合かヒゲ 水曜どうでしょう的思考/藤村忠寿

2020.5.3

笑ってる場合かヒゲ 水曜どうでしょう的思考/藤村忠寿

















 優しい。実に優しい。水曜どうでしょうをよく見る人からしたら、想像できない文集だ。普段は適当に見える発言や行動の裏には、こんな様々な思いが隠れていたなんて。この人は本当に面白い人だと率直に思う。
 最近、0からの創造ということを考える。藤村さんのような演出家が作る番組であったり、アーティストが作る楽曲も然り。何が彼らの創作意欲を引き出すのだろうか。自分の番組で世間をあっと言わせたい、社会に対して伝えたいメッセージががある、好きなことをして飯を食っていきたい、色々あると思う。理由は色々あるだろうが、いずれにしても彼らのその仕事は僕らを笑わせ、考えさせ、泣かせてもくれる。すなわち心を豊かにしてくれる。本の中にも度々見られるけど、なぜそのように僕らの感情が動かされるかといったら、彼らはいつも本気だからなんだと思う。彼らでいう本気は全て真剣にというよりは、本気で遊んでふざけることだけど、そんなユルさもまたいい。
 仕事の先にはいつもお客さんがいて、僕らはそのお客さんの心を動かしお金を得ないといけない。生きるために絶対必要なことならまだしも、エンターテイメントにお金を出させることは本当に魅力が無いと難しいんだろうな。藤村さんへの見方は、元々面白い人だと思ってたけど、少し尊敬に変わった本だった。
 
 

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