2022.1.18 袋小路の男/絲山秋子
この著者の作品は初めて拝読する。学生の頃から気になる男に一見振り回されているようで、自ら色々考え過ぎて振り回っているような女の話だ。恋愛ってのは本当にしゃらくさい。いちいち心を惑わしてくる。学生の時分は心の感受性が今より高くて、飛んだ妄想もあって、一喜一憂してたんだろうな。フラれて凹むなんてのは今になってはうらやましい体験でもある。一日体験でもできるならしてみたいものだ。凹むとは本気の証拠である。青春時代の本気は輝かしい。
おそらく20歳くらいの頃は青春イコール若者と思っていたのだろうが、27歳を超えて処世術を徐々に体得しつつある時、そうではないと気づき始めた。本気になれる力があれば青春はいつでも取り戻せるのであった。本気、即青春。
どうせ死ぬんだという自暴自棄のようで、前向きな死生観も20代の時に身に付いた。どう死ぬなら死ぬまで生きよう。笑っていられるように。
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