2022.4.3
短編集である。タイトルの通り、理不尽で抗うことが許されない世界を描いている。読む進めていくほど憂鬱になるのに、こういう世界というのは覗いてみたいという心理になる。人間はずるい。どうしようもない。外で起きていることは所詮外で起きていることで、自分は関係ないのだ。罪悪感を抱こうが同情しようが、己の身に降りかかるまで実感というのは抱けない。小説や映画といった娯楽はそういった世界の擬似体験でもあるのかもしれないが、真の体験者からしたら苦痛で仕方あるまい。物議を醸し話題となる小説や映画は、特定の人たちを嫌な気持ちにさせたりするものだが、複雑かな同時に興味をそそられる人も多いんだろう。
0 件のコメント:
コメントを投稿